「腰を痛めてしまった・・・」
「夜勤や身体介助で毎日クタクタ・・・」
介護の仕事を続けるうえで、体調や体力面での不安はつきもの。
身体の負担が少なく、夜勤の無い事務職に転職したいと考える方も多いでしょう。
未経験から事務職への転職は、難しいですが不可能ではありません。
今回の記事では、介護職から事務職の転職が難しい理由と対策を解説します。
体調の不安なく今後も安心して働きたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人の職歴
- 介護福祉士として3年間特養に勤務するも腰痛に悩む
- スキル、資格無しで事務職へ転職し腰痛が改善
- 3社で一般事務、営業事務を経験
事務職とは
事務職とは、企業が活動する際の事務的な業務を担当する職業です。
他の社員が働きやすい環境を整えてサポートし、企業に貢献します。
また、電話や来客の対応は企業としての印象に大きな影響を与えます。
事務職の仕事内容
事務職の具体的な仕事内容は以下の通りです。
- データ入力(受発注作業や請求書、資料の作成)
- 来客、電話の対応
- 備品の発注
- 書類の整理
デスクワークが苦ではなく、サポート役に回りたい方やプライベートを充実させたい方に人気の職業です。
事務職の種類
事務職の主な種類は以下の通りです。
- 一般事務(データ入力や電話の対応)
- 営業事務(見積書や請求書の作成)
- 経理事務(企業のお金の管理をする)
- 医療事務(患者様の対応や医療費の計算)
- 介護事務(レセプトの作成)
小さい規模の会社であれば、いくつかの種類を兼ねる場合があります。
例えば、私が10人程の会社に勤めていた時は一般事務と営業事務を兼ねていました。
また、医療事務や介護事務は介護の知識を活かせたり、患者様とふれあう機会があったりします。
そのため、介護職から事務職への転職を考えている方から注目を集めています。
【2つの理由】介護職から事務職の転職は難しい
【理由①】事務職は人気がある職種
介護職から事務職への転職が難しい原因の1つに、事務職は人気があり求人も少ない点が挙げられます。
事務職の有効求人倍率は、平均より低い傾向にあります。
有効求人倍率とは、仕事を探している「あなた」に対して何件の求人があるかを示す数字です。
有効求人倍率を以下の表にまとめました。
職業 | 令和4年度 有効求人倍率 |
全体の平均 | 1.31 |
施設介護員 | 3.23 |
一般事務 | 0.33 |
営業事務 | 1.00 |
経理事務 | 0.57 |
医療事務 | 0.33 |
介護事務 | 1.06 |
https://shigoto.mhlw.go.jp/User より参照
令和4年度の有効求人倍率を見ると、一般事務の有効求人倍率は「0.33」でした。
一般事務の仕事を探している3~4人に1人採用される計算です。
一方で介護職の有効求人倍率は「3.23」なので、求職者1につき3件程の求人があります。
私が介護職から一般事務の転職活動をしていた時は、10社応募して1社面接に進めば良いほうでした。
志望動機や面接などの対策だけでなく、それなりの件数に応募する必要があります。
【理由②】スキル、経験が少ないと判断される
「スキル、経験が乏しい」と判断される点も、介護職から事務職の転職が難しい理由です。
有効求人倍率が低いとライバルが多いと言えます。
求人を募集している企業は即戦力を求める為、スキルや経験が豊富な人材から採用が決まります。
残念ながら介護がキャリアとしてカウントされなかったり、学力や社会性が低いと考えられがちです。
介護職から事務職への転職はどうしても不利になってしまいます。
【5つの対策】介護職から事務職に転職するには
【対策①】事務職でも活かせる強みを振り返る
介護職から事務職に転職するには、事務職でも活かせる強みを振り返ってみましょう。
具体例を表にしました。
強み | 介護職での具体例 | 事務職での活かし方 |
介護職での事務的な業務 | PC操作、書類の作成や整理 | データ入力や書類整理 |
コミュニケーション能力 | 介護で培ったおもてなしの気持ち | 電話や来客の対応
他の社員のサポート |
協調性 | 同じ介護職員だけでなく、看護師や栄養士など他の業種のスタッフと連携しスムーズに業務を行う | 同じ事務員同士だけでなく、営業職や生産管理部門などの他業種と連携を取る |
観察力 | 利用者の身体や表情を読み取り、ニーズを把握する | 書類の細かな情報まで正確に把握できる |
対応力 | 変化する利用者のニーズに対応する | 優先順位を常に把握しスピード感を持って業務を行う |
事務職に特に求められるスキルはパソコンスキル、正確さ、スピードです。
これらを逆算して 介護職で得た強みを考えてみましょう。
【対策2】事務職への転職に有利な資格を取得する
介護職から事務職に転職するには、事務職への転職に有利な資格の取得を検討してみましょう。
取得できれば就職が確約されるわけではありません。
しかし、ライバルが資格の無い未経験だった場合にチャンスがあります。
主な資格を表にまとめました。
資格 | 内容 |
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) | WordやExcelなどの基本的なパソコンスキル |
秘書技能検定 | 社会人としての常識が身に付く |
日本商工会議所簿記検定 | 経理事務を目指す方に(就職に必須の資格ではない) |
医療事務技能審査試験 | 医療事務を目指す方に(就職に必須の資格ではない)
受講者数が多く、医療事務について幅広く問われる |
ケアクラーク技能認定試験 ケアクラーク(R) | 介護事務を目指す方に(就職に必須の資格ではない)
介護給付費明細書の作成が学べて実用的 |
目指す事務職の職種や、学びたい資格があれば挑戦してみましょう。
【対策③】パート、派遣、契約社員などで経験を積む
介護職から事務職に転職するには、正社員の登用が希望でもパートや契約社員など非正規の雇用形態に挑戦するのも1つの手です。
理由は以下の2点です。
- 事務職の経験が積める
- 直近の職業が介護にならない
そのまま勤務して正社員の声がかかる可能性がありますし、改めて正社員の求人に「経験者」として応募できます。
私が介護職から事務職に転職した際も、1年間の契約社員として事務職を経験しました。
その後、改めて正社員の求人に応募し採用が決まりました。
【対策④】希望の条件を下げて求人を探す
介護職から事務職に転職するには、希望の条件を下げて仕事を探すのもおすすめです。
例えば、以下のような求人です。
- 土日の勤務がある
- 最寄り駅から遠い
- 社員の人数が少ない
- 給与が低い
私は最寄り駅から徒歩10分で、給与が平均より少し低い企業に営業事務として正社員の採用が決まりました。
後から聞いた話によると、応募は私を含め2人だったそうです。
低い給与が気になるのは確かです。
しかし、事務職に転職して腰の負担が減り、腰痛が改善したので「健康をお金で買った」と思えば納得できました。
お近くのエリアに事務職の応募が無いか、探してみましょう。
【対策⑤】無料のキャリアカウンセリングを受けて現状を把握する
介護職から事務職に転職するには、「転職のプロに相談する」のが近道です。
無料で受けられるキャリアカウンセリングには以下のメリットがあります。
- あなたの強み、弱みを第3者の視点で教えてくれる
- 事務職を募集している企業や業界について具体的な求人を把握できる
情報収集するつもりで気軽に活用してみましょう。
また、「介護職から事務職への転職は難しいかも」「事務職に向いてないかも」
このように考えてしまった方でも、カウンセリングを受ければ自分に合う業種に気づける可能性があります。
キャリアカウンセリングにはマイナビエージェントがおすすめです。
サポートが無制限で、じっくりとエージェントが向き合ってくれます。
まとめ
介護職から事務職への転職について、経験を交えて解説しました。
事務職は人気があり競争が激しいので、簡単ではありません。
しかし、スキルや経験不足をカバーしたり介護の経験をうまくアピールしたりすれば可能性はあります。
もし体調に不安を抱えていて今後が不安なら、働く環境を変えるために1歩踏み出してみましょう。